ある愛犬の死・・・

ふつつかもの

2007年01月31日 13:11



ここ数年公私共にとてもお世話になっている、初老の夫婦がいる。
二人ともそれはもう大変人柄もよく、あつかましい話だが私もいい歳をしてなんだか
親子の感覚になってしまうことすらある。
気恥ずかしくて【お父さん】とはいえないが、なぜか【お母さん】とは自然といえてしまう・・・
そんな新しい両親には、長年かわいがっていた犬がいた。
マルチーズの【さくら】ちゃんという。

遊びに行けば、玄関先から熱烈な歓迎をいつも受けていた。
よく躾られていたせいか、言うことはよく守る『いい子』だった。

が、先日【お父さん】より【さくら】が死んだことを伝えられた。
たしかに11歳と言う齢に加え、持病もありここのところ、めっきり歳を取った感じだった。

常日頃【お母さん】は多分半分冗談だとは思うが『さくらが死んだら私も生きていけない・・・』のような
セリフを口にしていたので、私はそれが心配だった。



昨晩線香をあげに行った。
実は、私はと言うと家に着く前のクルマの中ではボロボロと・・・だった。
ただ、両親の心情を察するとなるべく沈まないようにと思っていたので、家に入るときは心を入れ替えていた・・・
しかし、祭壇には『千の風になって あなたのそばにいます』との書が飾られていて・・・
たまらなくなった。
【お母さん】の書道の先生が書いたとのことだが、先生も心情を察して送ったのだろう・・・
がんばって、家を出るまで別の話題で和ませた。
しばらく2人暮らしになるであろうから、沈んだままでは帰れなくなってしまう。



小さな命とはいえ、やはり一緒に暮らした年月は存在の重さを他人にはわからないくらい大きなものにしている。
なにか、しゃべると首をちょっと傾げるしぐさ・・・
おやつをねだるときには前足でカリカリとつっつくしぐさ・・・

私でももういないと思うと寂しくなってしまう・・・
【両親】にとってはいかばかりか・・・

冥福を祈るとともに、和ませ役だった【さくら】には感謝の念を捧げようと思う。

それから、【お父さん・お母さん】には早く元気になって欲しいと思う次第である。

【by ふつつかもの】

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