【中年乗り物大全-4】 N360・・・の巻

ふつつかもの

2007年02月14日 20:03



【ホンダ N360 1966年製 360cc】

【1964年製】の私にとってはこのクルマ、興味の出た段階ですでに『歴史上の名車』になっていたのである。
だから、新車時の様子なぞとても書けない。
しかし、ずっと興味津々だった・・・
なぜなら、このクルマ、現代では存在自体信じられない『空冷エンジン』の持ち主・・・

私の崇拝する【オヤジ・・・こと 本田宗一郎】が頑なに貫いたポリシー・・・
そのひとつがこの『空冷エンジン』なのである。
逆に4輪車のほとんどが採用している『水冷エンジン』とは・・・・

ガソリンを爆発させた原動力をタイヤに伝え動かすのは、言わずと知れた『エンジン』・・・
エンジンは放っておけば温度がぐんぐん上がり、自身の熱でひずみが生じ、燃焼効率も下がり
結果的にはパワーダウンを誘発させる。
そこで、そのエンジンを一定の温度に安定させるために『水』を使ったのである。
エンジンの内部には『ウォータージャケット』といわれる水路が巡らされ、一旦ゴムパイプで外に出て
ラジエター(放熱器)に入る・・・そしてラジエターは外気や、ファンによって水とともに冷やされ
また水はゴムパイプを通ってエンジンの『ウォータージャケット』に戻ると言う仕組みである。

水冷はエンジンを一定温度に保つことによって継続的に出力を安定させる、マジックのような方式なのである。
といってしまうと【オヤジさん】のポリシーは全く間違いになってしまう・・・
便利な水冷エンジンにも空冷にはない、ウィークポイントがいくつもある。

1.水を使っているから重くなる。
2.機構が複雑になり、故障の確率が多くなる。
3.当然パーツが増えるから価格が高くなる。

・・・なるほど、これじゃ【オヤジさん】の目指した、『安くて・故障がなくて・高性能』・・・には真っ向から
反対なわけだ・・・

と、言うことでこの【N360:通称Nコロ】【オヤジさん】が具現化したひとつの成果物なのだ・・・
社内にも反対派が存在し、その頃の社内エピソードは本になって出版されたくらいだから、
ホンダが今のような発展を遂げるプロセスの中では、『黎明期』の象徴・・・となり・・・
このクルマがその代表格なのである。

で、ある日後輩がこのクルマを手に入れた上に運転させてもらった。
感激である。
本当にちっちゃくて、音はうるさい・・・が、あの【本田宗一郎】が心血注いで作り上げたクルマである。

快晴の午後天竜川の堤防をとばした・・・ご機嫌だ・・・

後輩が見えた・・・ブレーキを・・・・・・・・・

なにっぃぃぃぃ?


忘れていた、このクルマ、マスターバック(真空倍力装置)までもついていないのだ・・・(笑)

もう少しで、オーナーである後輩をはねるところだった・・・

次回は『トヨタ カリーナ1600GT』です。


このシリーズは・・・
イチローさんとのコラボ企画より
誕生しました。
皆さんの参加を期待しております。
(中年でなくったっていいです・・笑)

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