30年近く前・・・
少なくとも好きでもなく入部した部活動は・・・名門だった・・・
1年生のとき県で準優勝、2年生のとき県で優勝・・・
そのときスタンドで応援した私の目の前で、精根使い果たし優勝旗を握ったまま熱中症で倒れた
キャプテンの姿に熱いものがこみ上げてきたのをよく覚えている・・・
そして、夏休みが明けた部室でそのキャプテンに「頼むぞ!」と一言手渡されたユニフォーム・・・
2連覇の重責がずっしりとかかる・・・
そして、秋・・・デビューの新人戦。
明らかな格下相手にもプレッシャーで腕が動かず、1点も取れず初戦敗退・・・
相手側のギャラリーが狂喜乱舞する・・・そりゃそうだ前年優勝チームなのだから・・・
2年生の冬は人知れず泣きながら素振りを繰り返した・・・
そして、3年生の春・・・県スポの地方予選で3位を獲得・・・学校で3番手・市内で3位・・・
パーフェクトな戦績・・・復活した・・・そう思った・・・
しかしこれが最後の夏に向けての落とし穴だった。
最後の夏の2連覇をかけた団体戦は・・・市内予選を勝ち抜けなかった・・・
目の前で1番手・2番手が見る間に負けていった・・・絶対勝てると思っていたが・・・
私には試合が回ってこなかった・・・こぶしを握り締めたのを覚えている・・・
悔しい・情けない・・・申し訳ない・・・・いろいろな感情が交錯する・・・
そして翌週個人戦が始まり、どういう因縁なのか勝てば西部大会へ出られるラウンドで
たちはだかった相手は前の週にうちのエースに勝ち、連覇の夢を砕いた学校のエースだった・・・
あきらめムードが漂い、後輩達もほかの3年生を応援に行ってしまい、スタンドには味方は2~3人・・・
スタンドは相手の学校がほとんどを埋めていて、楽勝ムード・・・完全なアウエーゲーム・・・
あの時は悔しかった・・・本当に負けたくなかった・・・とにかく走って拾いまくった・・・
自分も何をしたのかも覚えていない・・・が、スタンドからヤジを飛ばされながら1点また1点を重ね・・・
気が付いたらスタンドを沈黙させていた・・・
粘り強く応援してくれた後輩を伝令に走らせた・・・「勝ったとみんなに早く伝えろ!」・・・
キャプテンのユニフォームをもらったものの意地だったのかも知れない・・・
帰りのバスで伝令をさせた後輩が寄って来てこう言った。
「先輩が勝ってからみんな元気になりましたよ。」
「ふ~ん・・・」
かっこつけて冷静を装っていたが・・・・この一言で十分だった・・・胸が熱くなったのを鮮明に覚えている
連覇どころか市内からも団体が勝ち抜けなかった、ダメキャプテンだったが、少しでも役に立てた・・・
『よかった・・・』
後輩の一言に救われた。
個人戦の市内大会は1位・2位・・・そして私は5位だった。
今でも、その試合は私のベストマッチに値している・・・・ (回想終わり)
そして、最後まで食らいついた子供にもいずれどこかで心の糧になることを親として祈っている・・・
親として、少しでも会場を沸かせ、相手を蒼ざめさせたその姿は、一生忘れることはないだろう・・・
【ふつつかもの】ですが、スポーツっていいですね、やっぱり・・・・、よろしく・・・・・・・・・・・